オリエントエクスプレスのページ
先ず、ワゴン・リの話しをする前に、「オリエント エクスプレス」について・・・現在運転されている「VSOE」を復活された「オリエント エクスプレス」としているメディアが多いのですが、現在運転されている「VSOE」は、日本で例えるなら戦前製の1等寝台車、1等車に食堂車を各種集めて復元、東京〜神戸間で「富士」として運転している様なモンです。運転されている区間や列車名から言って、この例えが適当でしょう。「VSOE」は単なる観光列車で、後にも先にも?この様な編成の列車はありません。で、良く豪華列車の代表と称されている「オリエント エクスプレス」ですが、それは1920年代の話でして、戦後は普通の夜行列車にワゴンリの車輛が数輛連結されているだけの列車でした。
さて、「オリエント エクスプレス」の歴史についてですが・・・1883年6月に「トランドリエント(Traind'Orient)」と言う名前の列車が、パリのストラスブール駅(現在の東駅)から、コンスタンチノーブル(現在のイスタンブール)行きの列車として運転されたのが、ワゴンリの車輛だけで編成された専用列車でした。尤も、当時はイスタンブールまでは鉄道で直通する事は出来ず、列車はジュルジウ(現在のルーマニア)迄でした。その後、1883年10月4日からは新製の2軸ボギーの車輛とされ、愛称も「オリエント エクスプレス」となり、更に1989年にはコンスタンチノーブルへの鉄道も開通し、ベオグラード・ソフィア経由で、コンスタンチノーブルへ直通するようになりました。そして、「オステンデ ヴィン オリエント エクスプレス」「ベルリン ブタペスト オリエント エクスプレス」が増設され、ロンドン、パリにベルリンと言う大都市が、イスタンブールと結ばれます。第一次世界大戦後は敗戦国のドイツ・オーストリアにハンガリーを避けた「シンプロン オリエントエクスプレス」が登場しましたが、当初はヴェネツィア迄の運転で、その後路線の開通に合わせてイスタンブールへの直通が再開され、列車名を「ダイレクト オリエント エクスプレス」と改名しています。それと同時に、従来の「オリエント エクスプレス」はワルシャワ行きに、また「アールベルク オリエント エクスプレス」も新設され、ベルエポック華やかな時期を迎えます。第二次世界大戦後は上記3列車に加え、「バルト オリエント エクスプレス」「タウエルン オリエント エクスプレス」が増設され、ヨーロッパ大陸にオリエントエクスプレスのネットワークが出来上がります。しかし、飛行機の発達には勝てず、先ずはワゴン・リの専用編成から一般車輛を連結する様に、1962年には「アールベルク・・・」「シンプロン・・・」の両列車からオリエント エクスプレスの文字が消え、新たに「ダイレクト オリエント エクスプレス」がパリ〜イスタンブール間直通列車として設定されました。でも、1977年にはこの「ダイレクト オリエント エクスプレス」も廃止されてしまい、「オリエント エクスプレス」の名前を引き継ぐ列車はパリ〜ブタペスト間のローカル急行となっています。因みに、この「オリエントエクスプレス」ですが、今現在も毎日運転されています。